2026年5月18日現在
コマツ産機 代表取締役社長 長利 啓正
コマツ産機株式会社は、自社を取り巻く外部環境や事業課題を踏まえ、成長戦略の3本柱である ①イノベーションによる価値共創 ②成長性と収益性の追求 ③レジリエントな経営基盤への革新を推進し、持続的な成長の実現を目指しています。
2025~2027年度の中期経営計画においては、「収益性向上と成長の両立」を大方針に掲げ、既存事業の選択と集中による収益力強化と、新たな価値創造の両立を図っています。
この中期経営計画を実現するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を単なるIT化や業務効率化にとどめるものではなく、事業モデル・業務プロセス・組織・人材を変革するための重要な経営手段と位置づけ、中期経営計画と一体で推進しています。
1. イノベーションによる価値創造
ーIoT・AI・データを活用した顧客価値の創出ー
外部環境変化(EV化、カーボンニュートラル、技術高度化)に対応し、市場ニーズに即応した商品・サービスの提供を通じた新たな価値創造を重要テーマとしています。その中核となる取り組みが、IoT・AI・データを活用したDXです。
コマツ産機では、2001年から建設機械に標準装備されているIoT管理システム「Komtrax」を、2009年より産業機械へも展開してきました。
これにより、機械の稼働状況や保全情報、成形状態を遠隔で把握することが可能となり、海外工場で稼働する機械を日本から把握し、的確な支援を行う体制を構築しています。
さらに、重点活動として、AIを活用した大型サーボプレス向け予知保全システムを提供し、駆動部品の劣化状態をデータで把握することで、故障前の計画的な交換判断を可能としました。本取り組みは、順次他機種や周辺装置へも展開しています。
今後は、これらのIoT・AI活用を一層高度化するとともに、顧客や関係会社とのデータ連携を前提としたサービス展開を進め、「モノ(機械)」に「データ・デジタル技術・サービス」を組み合わせた付加価値型ビジネスを拡張することで、お客さまのモノづくり現場のDXを支援し、価値創造を具体化していきます。
2. 成長性と収益性の追求
ーバリューチェーン全体を対象としたDX推進ー
収益性向上に向け、開発・販売・サービスを含む既存事業の選択と集中、およびバリューチェーン全体の効率化・高度化を掲げています。
その実現に向け、コマツ産機ではDXを活用し、業務プロセスの整理・電子化、データの共通化・見える化を進めています。
各業務におけるデジタル化は、単なる工数削減にとどまらず、蓄積されたデータを分析・活用することで、新たな課題設定や業務改善、さらにはサービス品質の高度化につなげています。
また、Komtraxや予知保全システムを通じて取得した稼働データを活用することで、遠隔地から機械の状態を把握し、より少ない工数で、より的確な修理・保全サービスを提案・提供できる体制を構築しました。
今後は、これらのDX施策を部門横断的に展開するとともに、DX施策ごとにKPIを設定し、成果と課題を定期的に評価する仕組みを整備することで、DXによる業務効率化と付加価値創出の成果を確実に「稼ぐ力」へと結びつけていきます。
3. レジリエントな経営基盤への革新
ーデータドリブン経営と組織・人材変革ー
コマツ産機は、外部環境変化に強い企業体質の構築を重要課題としています。これに対し、DXを活用したデータドリブン経営基盤の構築を推進しています。
DXプラットフォームの活用により、経営・事業・業務に関する情報をタイムリーに可視化し、迅速かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制への転換を進めています。
社内のDX推進は、部門横断組織である「ICTビジネス推進室」が主導し、業務改革・システム整備に加え、IoTを主軸とした顧客向けDXサービスの企画・開発にも取り組んでいます。
また、DXを継続的に推進するためには、技術基盤に加え、DX推進に必要な組織能力(ケイパビリティ)と人材基盤の確立が重要であると認識しています。
親会社であるコマツの情報戦略部門とも連携し、建設機械事業と産業機械事業それぞれの強みを活かしながら、業務標準化や技術伝承を進めるとともに、今後はDX人材のスキル可視化や計画的な育成・配置を進め、組織全体のDX推進力を高めていきます。
さらに、DX推進の前提条件として、サイバーセキュリティ対策を経営課題の一つとして位置づけ、情報資産の保護、事業継続性の確保、社員教育を含む体制整備を進めることで、データ活用を安心・安全に行えるレジリエントな企業体質を構築していきます。
4. DX戦略の達成度を測るKPIについて
DX戦略の達成度については、企業収益の向上を重要な指標としています。
コマツ産機単独の業績は官報にて、コマツグループとしての業績はコマツのウェブサイト(リンク)にて公開しています。
あわせて、中期経営計画およびDX戦略の進捗指標として、
大型サーボプレス向け予知保全システムの展開状況
Komtraxを活用したサービス提供状況
DX活用による社内業務改善の進捗
人材育成計画および実績
を管理しています。
今後は、これらの指標をDX施策ごとに整理し、定期的なモニタリングと評価を通じて、DX戦略および中期経営計画の見直しに反映させることで、DXの成果を継続的な企業価値向上へとつなげていきます。
戦略の進捗状況はこちら(PDF)
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