プレス・板金機械導入の流れと準備のポイント
自社の生産性向上や品質改善のために新しい設備を導入する場合、機種選定・契約・設置まで多くのステップがあります。
ここではスムーズな設備導入を実現するために押さえておきたいポイントと注意点をまとめました。
Step 1.導入目的の整理|考慮すべき観点
導入機械を選定するには、目的や能力、仕様など選ぶ基準を整理するために「考慮すべき観点」を明確にすることが大切です。
まずは以下のようにリストアップします。
- 目的 : 生産に対する課題を分析し、導入に必要な機能要件を確定させる 〈課題の例〉増産対応/生産性向上/省エネ対応(環境配慮)/機械老朽化/納期遵守 etc
- 設備能力 : 生産計画に合わせて機械仕様(spm、能力t数など)を決める 〈機械周辺機器や自動化システムの選定も忘れないようにしましょう〉
- 担当者体制 : 機械を稼働させるための人員と体制を整える(運用・安全管理)
- 予算 : 適切な予算を決める
投資対効果(ROI)・投資回収期間など、投資に見合った効果を見込むために導入効果の数値化も重要です。
投資対効果(ROI)の算出方法
設備投資を検討する4つの代表的な評価方法はこちら
補助金や優遇税制などの制度もあります。あわせて活用を検討しましょう。
Step 2.情報を集めて比較|メーカー・機種を選ぶポイント
導入機械の選定のために、まずは情報収集です。
メーカーへの電話、ホームページ問合せフォームの活用のほか「資料だけでは判断できない」「実際の機械を見たい」場合は、展示会やメーカーの展示場へ足を運ぶ方法もあります。
複数メーカーに機械への「要望・条件」を相談しながら、見積書と見積仕様書などを入手して比較・検討しましょう。
情報収集
メーカーへ問合せ、
展示会・メーカー展示場見学
数社から見積を入手
(見積書・仕様書など貰う)
メーカーと機種を選定
ここでチェックしたいポイント
- 技術仕様や性能(要求仕様の抜けがないか確認)
- 投資回収期間/ランニングコスト
- 導入事例の調査(既に導入している企業へのヒアリング)
-
保守・不具合などのサポート体制
長期的に安心して運用できるよう、スペックだけでなくサービス拠点に着目するのもポイントです。
収集した情報を基に、自社に最適な機械を選ぶことが重要です。
Step 3.設置までの準備を確認|スムーズな導入のために
設備導入を円滑に進めるためには、設置までのスケジュールと工程計画を明確にすることが不可欠です。
設置が困難な場合、工場レイアウトの再検討や改修が必要となるケースもあります。
問題なく設置を完了するため、以下の項目を事前に確認し、計画に反映させましょう。
導入までの事前準備として
導入スケジュールの
策定
機械導入の希望時期や設置工事期間(スケジュール)があれば、早めにメーカーへご相談
設置位置とスペース
場所の確保や改修の必要性
機械設置に
必要なユーティリティ
電源容量、電圧、配管、
排気、給排水の有無
工場設備の基礎
床の耐荷重の確認
「アンカー打設」や「ピット設置」が必要な場合、
対応が可能か
既存設備との整合性
ソフトの互換性や稼働時間の調整
設備導入に伴う工事費用のうち、一次側工事(電気工事等)はメーカー見積に含まれない場合が多いため、事前確認が必要です。
ほか注意しておきたいポイントとして、機械搬入時に障害となる箇所がないか、搬入経路を事前にチェックします。
安全衛生(アスベスト環境・粉塵対策)の確認も重要です。
作業環境に関する情報を事前に確認・共有しておくことで、スムーズな設備導入につながります。
ここまで整理した情報は、社内手続き(社内決裁・稟議)で必要となる重要事項です。
会社としてまとまった意思決定を得るためにも説得力のある資料を作りましょう。
Step 4.契約・発注を進める|トラブルを防ぐための注意点
導入する機械が決定した後は、契約の手続きを進めます。
トラブル防止のためにも契約と保証の内容や納期、仕様を改めて確認しましょう。
確認事項の一例
- 機械の仕様に漏れや誤りが無いか
- 契約条件(納期、保証、支払い条件など)は妥当か
- 各書類の有効期限は切れていないか
- 付帯工事の有無や範囲
ポイント
事前に契約の内容を法務や経理部門に確認しておくと、法的リスクの軽減へ繋がります。
Step 5.設置・納入・試運転|導入後の最終チェック
メーカーが注文書受領後、納入時期に合わせて現地での設置工事と試運転調整が開始されます。
契約内容に基づき、機械が仕様通りの性能を発揮しているか、細部まで確認してください。
最終チェックの一例
- 仕様通りの性能か
- 起動、動作は安定しているか
- 初期不良はないか
- 製造品質は満たしているか
など…
確認後、検収手続きをして機械の導入完了です。
実際の運用に備えて操作教育を受けることができます(機械の取扱い、メンテナンス、安全教育など)。
各メーカーごとに教育サービスを提供しているので、事前に確認してみましょう。
さいごに
「導入後のトラブルに備えるリスク対策」
万一に備え、機械トラブルへの対応策とサポート体制を事前に把握しておくことが不可欠です。
・定期点検・メンテナンスなどの保守サポート
・初期不良や故障時の対応フロー(メーカーとの連携)
設定したROI(投資対効果)に基づき、導入後の成果を検証し、設備の最適化へ活かしていきましょう。