コマツ産機のサーボプレス - 省エネと高性能

コマツ産機のサーボプレスは、省エネ性に優れるとともに、業界初のダイハイトを自動補正する「リニアスケール」(特許)を搭載し、加工精度の安定や検査回数の削減に寄与します。さらに、独自のIoT機能「Komtrax」により、生産管理や予知保全にも対応し優れたパフォーマンスを誇ります。

サーボプレスとは

サーボプレスは、サーボモータを駆動源とし、位置・荷重・速度を精密に制御できるプレスです。

従来のメカプレスとは異なり、フライホイールやクラッチブレーキを必要としないため、エネルギー消費を大幅に削減できます。また、サーボモータがクランクやリンクを直接駆動することで、従来の油圧式や機械式と比較して、高精度かつ安定した加工が可能になり、金型の摩耗や不良品の発生を抑えながら生産効率を向上させます。

サーボプレスの特長

高精度な圧力・位置制御

プレスモーションを高精度かつ柔軟に制御することで、最適な加工条件を実現。これにより、安定した加工品質と生産性の向上を両立させます。

エネルギー効率と作業環境の向上

サーボプレスは、サーボモータを駆動源とし、メカプレスにあるフライホイールやクラッチブレーキを必要としません。そのため、常にフライホイールに動力を供給する必要がなく、高い省エネ性能を実現します。

コマツ産機製サーボプレスのメリット

多様なモーションパターンで汎用性と生産性を両立

フリーモーション機能を用いて、成形条件に合わせた最適なストローク長を実現。H1F-2においては、業界最長クラスのストロークを保持しつつ、運転速度も業界最高クラスを誇ります。

この技術によって、高精度な成形が可能となり、深絞りによるシワの抑制や曲げ加工のスプリングバック抑制、板鍛造など、幅広い用途に対応します。

モーションパターン 概要 対応機種
サンプルモーション 任意のスライドモーションを記憶・再現し、多様な加工に対応 H1F-2
反転モーション スライドの上下動作を逆転させ、特定の成形条件に最適化 H1F-2 / H1F-1 / H2W-1
振子モーション ストロークを短縮し、成形速度を向上させる高速加工向け H1F-2 / H2W-1
回転モーション スライド動作を回転させ、円形加工や特殊成形を実現 H1F-2 / H1F-1 / H2W-1
多段振動モーション スライドの動作を細かく制御し、高付加価値の精密加工を実現 H1F-2
フリーモーション 自由にスライドモーションを設計・設定し、加工条件に最適な動作を実現 H1F-2 / H1F-1 / H2W-1

高精度な成形を支えるリニアスケール搭載

業界初のダイハイト変化(=スライド下死点位置)を自動補正する「リニアスケール」(特許)を搭載。スライド位置を高精度に監視・制御することで、安定した成形品質を実現します。

また、下死点位置や荷重の変化を正確に測定・自動補正することで、長時間の運用でも高い加工精度を維持。不良発生の抑制や検査回数の削減にも寄与します。

高度なIoT機能による効率的な生産管理

コマツ産機のサーボプレスは、独自のIoTアプリケーション「Komtrax(コムトラックス)」を標準装備し、どこにいてもスマホやPCからプレスの稼働状況を確認することができます。また、製品データと生産プロセスを一元化し、稼働管理や生産性・稼働率の向上につながります。

また、予知保全機能を通じて設備の稼働効率を最大化し、効率的な生産管理とコスト削減を実現します。

自動化・省人化を支える柔軟なライン構成と省スペース設計

ロボット搬送や前後工程とのライン構成に対応しており、将来的な自動化展開が可能です。これにより、少人数の運用や工程の自動化が進み、長期的には省人化を実現。さらに、システムが自動化ニーズに柔軟に対応できるため、設備更新時にもさまざまな選択肢が広がり、工場の生産性向上やコスト削減を支援します。

また、H1F-2は、業界トップクラスのロングストロークを誇りながらも、プレス全高を4,000mm以内に抑えたコンパクト設計で、省スペース化にも貢献します。

金型の耐久性向上と長寿命設計によるコスト削減

スライドモーションの速度コントロールによって、金型タッチ速度をより正確に調節し続けることができるため、従来のプレスよりも金型の耐久性を高めることができます。これにより、設備更新を検討している企業にとって、ランニングコストを抑えつつ、安定した生産性を維持できるため、設備投資における高いROIを実現します。

このような長寿命設計により、メンテナンス頻度の削減や部品交換のコストも抑制され、コストパフォーマンスを最大化します。

豊富な製品ラインナップで多様なニーズに対応

高精度な成形、省エネ性能、大型ワーク対応をはじめ、加圧能力350kN~600kNのサーボプレスなど、多様なニーズに応じた製品をラインナップ。プレス加工の見える化や自動補正機能を搭載し、不良予防や調整時間の短縮をサポートします。

ご予算に合わせた提案も可能ですので、詳細は各製品ページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

  • H1F-2シリーズ

    業界No.1クラスのロングストロークと振子モーションで高い汎用性と生産性を発揮。

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  • H1F-1シリーズ

    リンク機構とサーボモータを組み合わせ、高精度加工と生産性の両立を実現。

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  • H2W-1シリーズ

    2軸独立のサーボ駆動がスライドの平行度を高精度に維持し、生産性と成形精度を向上。

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加工事例

SUSや難加工材の絞り成形

リンクモーション(回転)によりショックマークや割れを抑制し、成形性を向上。難加工材でも安定した品質の成形が可能。

小径ピアス加工

クランクモーション(振子)を活用し、振動を抑えて金型寿命を延ばしながら、生産性の高いピアス加工を実現。

ギア・異形状の精密打ち抜き加工

リンクモーション(振子)で加工熱の発生を抑制。高精度な打ち抜きを維持しながら、金型寿命と生産性を両立。

高精度曲げ加工

リンクモーション(振子)と下死点自動補正機能により、下死点精度を安定化。±10μm以内の精度でバラつきを抑え、高品質な曲げ加工を実現。

板鋳造・高負荷成形

リンクモーション(回転)と荷重自動補正機能で成形荷重を一定に保持。加工発熱の影響を最小限に抑え、安定した高精度成形が可能。

まとめ

サーボプレスは、下死点での精密な位置制御と、プレスモーションの柔軟な調整により、高精度かつ安定した加工を実現します。金型の摩耗を抑えながら、深絞り加工や精密成形にも対応可能です。

コマツ産機のサーボプレスは、業界最長クラスのストローク長や、高度なIoT機能など、優れた性能を備えており、自動化や省人化にも対応。省エネ性に優れ、長期的なコスト削減にも貢献します。製造現場における生産性向上に向けた有力な選択肢となるでしょう。

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